幼少期の花田兄弟は、周囲が羨むほど仲の良い兄弟でした。幼い頃から相撲部屋という特殊な環境で育ち、父の後ろ姿を見ながら自然と相撲の世界へと引き寄せられていきました。兄の虎上氏が弟を可愛がり、弟の光司氏が兄を慕う姿は、少年時代のエピソードとして数多く残されています。
中学卒業後、二人は揃って父が師匠を務める藤島部屋へ入門します。入門当初、父である親方は「土俵の上では兄弟の情を捨てろ」と厳しく指導。同じ部屋でありながらも、互いを強烈に意識するライバルとしての関係性が叩き込まれました。
切磋琢磨する過程で、兄は弟の類まれな相撲の天才ぶりに圧倒され、弟は兄の器用さと天性の明るさに複雑な感情を抱くようになります。「兄弟であり、ライバルであり、同じ部屋の力士」という幾重にも重なる関係性が、純粋だった少年の絆を少しずつ複雑なものへと変えていきました。