ドン小西の本名は小西良幸(こにし よしゆき)。三重県津市に生まれ、文化服装学院を卒業後にアパレル業界へと飛び込みました。彼の名を世界に轟かせた最大の金字塔が、1981年に立ち上げた伝説のコレクションブランド「FICCE(フィッチェ / FICCE UOMO)」です。
1980年代後半から1990年代初頭のバブル景気の中、FICCEが発表した極彩色の幾何学模様や圧倒的な編み込み技術を駆使したドン小西のセーターは、これまでのメンズファッションの常識を根底から覆しました。このアヴァンギャルドなニットに惚れ込んだのが、当時テレビ界の頂点に君臨していたビートたけしです。
たけしが『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』をはじめとする冠番組でFICCEのセーターを着用したことで、瞬く間に社会的ブームへと発展。1着数十万円という高価格帯でありながら飛ぶように売れ、リンゴ・スターやエルトン・ジョンといった海外のスーパースターたちも愛用する世界的ブランドへと登り詰めました。
その後、バブル崩壊に伴う莫大な負債やブランドの整理といった幾多の試練に見舞われながらも、彼はデザイナーとしての誇りを捨てることなく、借金を完済し再び表舞台へと返り咲いた不屈のキャリアを誇ります。