工業からカルチャーへ広がったニコイチの概念は、近年、建築・不動産業界において画期的なイノベーションを生み出しています。その代表例が、公団やUR都市機構、地方住宅供給公社が推進する「ニコイチ住宅」です。
昭和の高度経済成長期に建設された団地は、1戸あたりの面積が40〜50平方メートル前後と狭く、現代のファミリー層のライフスタイルに合わない空き家問題に直面していました。そこで導入されたのが、隣り合う2つの住戸の境壁を一部撤去して1つの広々とした住戸(約80〜90平方メートル)にリノベーションする手法です。
この取り組みにより、片方を広大なリビングやワークスペース、もう片方をプライベートな寝室や子ども部屋として活用できるようになり、テレワークが定着した若い子育て世代から高い人気を獲得しています。老朽化した団地を壊さずに現代的な価値を付加する有効な一手として、全国の都市再生プロジェクトから熱い視線が注がれています。