Mr.Childrenの凄みは、単なる平和主義のシュプレヒコールで終わらせない点にある。「タガタメ」の核心は、守るべき大切な存在がいるからこそ、人は容易に他者を攻撃するモンスターへと変貌するという「愛の狂気」を描き出したことだ。
「子供らを被害者に 加害者にもせずに」という祈りの叫びは、自分自身の中にも牙を隠し持っているという冷酷な自己認識に基づいている。自分自身が誰かの加害者になり得るという覚悟と恐怖。徹底的に人間を観察し続けてきた櫻井和寿だからこそ到達できたこの視点は、2026年の「自己防衛」の名のもとに他者を攻撃しがちな社会に対する、強力な歯止めとして機能している。