立位や座位でのストレッチは、無意識に腰を反らせたり首をすくめたりする「代償動作」が生じやすく、狙った部位に適切な負荷がかかりにくい難点があります。そこで臨床現場でも推奨されているのが、自重と重力を利用する「巻き肩寝ながら治す」メソッドです。
用意するものは、どこの家庭にもあるバスタオル2枚のみ。これを固めに巻き、直径約10〜12cmのポール状にします。これを用いた「巻き肩治すタオル」のリセット手順は次の通りです。
まず、床に置いたタオルの上に背骨のラインが沿うよう仰向けに寝転がります。タオルはお尻の上部から後頭部の下あたりまでをカバーする位置に合わせます。両膝は軽く立て、腰が過剰に反らないよう下腹部に軽く力を入れてください。
次に、両腕を天井に向けて伸ばしたあと、肘を直角に曲げながら床へとゆっくり下ろしていきます。このポジションをキープしたまま、鼻から深く吸って胸郭を左右前後に膨らませ、口から細く長く吐き出します。これを深呼吸5回(約1分間)行うだけで、縮こまっていた胸骨周りや肋軟骨が自重で無理なく開き、神経の緊張が自然と解除されます。
仕上げとして、鎖骨の下あたりに指を添え、小胸筋ストレッチやり方の要領で腕を斜め後ろへ回す動作を加えると、より深い層の筋膜までアプローチが届きます。寝る直前の1分間に行うことで、睡眠中の筋緊張が緩和され、翌朝の肩の軽さに明確な違いが生まれます。