本シリーズが大人をも唸らせる理由の一つに、敵対する「黒玉軍団」や「赤玉軍団」の緻密なキャラクター造形と演出の深さがあります。
黒玉軍団は単なる悪役として描かれるだけでなく、規律ある軍隊のように統率された動きを見せます。大軍勢でびーすけを包囲するシーンでは、複数のビー玉が一斉に転がり落ちるマスゲームのような美しさと威圧感を同時に演出。さらに完結編で姿を現す赤玉軍団の介入によって、単純な「善と悪の二項対立」ではない重層的なドラマが展開されます。
無機質なガラス玉や金属玉にすぎないオブジェクトが、転がる速度やぶつかり合う音、タイミングの変化によって、まるで焦りや怒り、友情の感情を持っているかのように見えてくる演出技術は、映像メディアにおける表現の極致と言えます。