坂上忍の芸能界入りの原点は、わずか3歳のときに名門児童劇団である「劇団若草」へ入団したことでした。もともとは極度の人見知りと引っ込み思案を克服させようと、母親が劇団の門を叩いたことがきっかけでした。
しかし、劇団に入ると持って生まれた表現の才能が一気に開花します。1972年にドラマ『下町かあさん』でデビューを果たすと、名子役として各局のドラマに引っ張りだことなりました。特に1970年代中盤から後半にかけて出演した『たんぽぽ』シリーズや、国民的ドラマ『ありがとう』、さらには映画『座頭市』など、錚々たる名作で存在感を発揮します。
監督の指示を即座に理解し、台本に書かれた感情を自然な涙や表情で表現する技術は、大人顔負けの領域に達していました。大女優・名優たちからも「この子の芝居は本物だ」と絶賛され、名実ともに「天才子役」の代名詞としてお茶の間に浸透していきました。