結論から明かすと、「リップティントの成分そのものが皮膚に沈着してメラニン化する」という噂は科学的には嘘です。ティントに使われる染料は皮膚の最も外側にある角質層に浸透して発色する仕組みであり、シミやほくろのように皮膚の奥深くで色素が固定化することはありません。
それにもかかわらず、「ティントを愛用し始めてから唇が黒ずんだ」と感じる人が多い背景には、皮膚の防御反応が関係しています。落ちにくいティントを落とそうとしてクレンジング時に唇をゴシゴシ擦ったり、染料による刺激で慢性的な荒れや皮むけを起こしたりすると、皮膚はダメージから身を守るためにメラニン色素を過剰生成します。これが「炎症後色素沈着」と呼ばれる黒ずみの正体です。
さらに、多くのティントは油分を奪いやすく唇のバリア機能を低下させがちです。乾燥して無防備になった唇が無防備に紫外線を浴びることで、さらなるくすみや黒ずみを加速させてしまう悪循環に陥っています。