うどん文化を語る上で欠かせない「日本三大うどん」という定義。一般的には、香川県の「讃岐うどん」と秋田県の「稲庭うどん」の2大巨頭が確固たる地位を占め、そこに群馬県の「水沢うどん」や長崎県の「五島うどん」(諸説あり富山県の「氷見うどん」など)が加わる形で親しまれています。
東西の雄とも言える讃岐うどんと稲庭うどんですが、その製法と食感のアプローチは対極に位置します。
讃岐うどんは、生地を足踏みなどで強靭に鍛え、麺棒で平らに延ばした後に包丁で切り分ける「手打ち・包丁切り(切り麺)」です。四角く角が立った太麺であり、中心部に強い抵抗感を覚える「剛麺の力強いコシ」が持ち味となっています。
対する稲庭うどんは、生地を切らずに細長く引き延ばしていく「手延べ製法」を採用しています。角のない平らな断面としなやかな弾力、そして圧倒的なすすり心地が際立ちます。また、そうめんの手延べでは麺の乾燥や付着を防ぐために植物油を塗布するのが一般的ですが、稲庭うどんは油を一切使わず、打ち粉(でんぷん)のみで延ばすため、油の酸化臭がなく、小麦本来のピュアな風味と甘みが澄み渡る点も大きな相違点です。