かまぼこの真価は、刃を入れる「厚み」によって決定づけられる。小田原で創業100年を超える歴史を誇る鈴廣かまぼこをはじめとする名門が口を揃えるのは、しなやかな弾力を最大限に引き出す最適な寸法が存在するという事実だ。
薄すぎれば歯ごたえが物足りず、厚すぎれば喉越しとしなやかさを損なってしまう。試行錯誤の末に行き着く黄金比こそが「11mmから12mm(約1.2cm)」という厚みである。包丁を垂直に降ろし、すっと引くように切る。この絶妙な幅が、魚の旨味と独特の「プリッ」とした食感を口の中で最も美しく開花させるのだ。