近年、「ロキノン系という言葉は死語になったのか?」という議論がしばしば交わされます。結論から言えば、「単一の排他的なラベリングとしての役割は終えたが、その音楽的遺伝子は現代ポップス全体へ完全に溶け込んでいる」というのが実情です。
現在、ストリーミングチャートを席巻するKing Gnu、Official髭男dism、Mrs. GREEN APPLE、Vaundy、ヨルシカなどの楽曲を聴くと、緻密なコードワーク、内省と激情が入り混じる歌詞、ジャンルレスなギターアレンジなど、かつてロキノン系が培ってきたエッセンスが高次元で継承されていることが分かります。
かつてはサブカルチャーだった「ロキノン的価値観」は、いまや日本のメインストリーム音楽の標準フォーマットへと昇華したのです。