当時のエンタメ界を決定づけたのは、間違いなく二人の天才監督の存在だ。ひとりは心温まるエイリアンとの交流を描き、世界中を涙と興奮の渦に巻き込んだスティーヴン・スピルバーグ。そしてもうひとりは、退廃的で酸性雨が降り頻るサイバーパンクな未来都市を圧倒的なビジュアルで構築したリドリー・スコットである。
スピルバーグが手掛けた『E.T.』と、スコットが放った『ブレードランナー』。対極とも言えるアプローチで制作されたこの2作品は、単なる大ヒット作という枠を超え、世界中の若者文化やファッション、音楽に至るまで多大な影響を及ぼした。まさに80年代ポップカルチャーの骨格を形作った金字塔であり、後世のSF映画における文字通りの指針となったのだ。