トヨタの税金をめぐる言説では、法人税と「消費税の輸出還付金(いわゆる輸出戻し税)」が混同され、批判の火種になるケースが後を絶ちません。「輸出戻し税で国から巨額の補助金を貰っているのに法人税は払わない」といった主張は、消費税の基本構造に対する誤解から生じています。
消費税は「国内で消費される商品・サービス」に対して課される間接税です。日本から海外へ製品を輸出する場合、海外の消費者に日本の消費税を請求できないため、輸出取引の消費税率は0%(免税取引)と規定されています。一方で、トヨタなどの輸出企業は、自動車を製造するための部品調達や下請け企業への発注時に国内の消費税を支払っています。
自社が仕入れ時に前払いした消費税額から、顧客から預かった消費税額(輸出分は0円)を差し引くと、預かった税額より支払った税額の方が大きくなります。この「払いすぎた税金の差額」が国から戻ってくる手続きが消費税還付です。これは企業への特別な優遇金や補助金ではなく、二重課税を防ぎ税の公平性を担保するための正当な精算手続きにすぎません。