シカゴ・カブスで主軸を担う鈴木誠也にとっても、このフェンスは常に神経を研ぎ澄ます対象だ。右翼を守る際、直撃した強打の跳ね返りが読めない。「跳ね返る」と思って待っていたらツタのクッションでポトリと下に落ちたり、逆にレンガの目地に当たって予想外の方向に跳ねたりする。一方、マウンドに立つ投手・今永昇太にとっても無関係ではない。フライアウトに見える大飛球がツタに滑り込み、判定を巡って球場全体が騒然となる瞬間を幾度も経験している。
伝統球場ならではの特殊ルールと打球挙動の不確実性。日本人二人が挑むのは、対戦相手だけではない。100年の歴史が蓄積された球場そのものの仕掛けなのだ。