利便性の高い新制度ですが、インターネット上の要約情報だけを鵜呑みにすると、思わぬ自己負担増に見舞われることがあります。特に注意すべき2大トラップが「被扶養者の除外」と「契約外医療機関での受診」です。
第1の落とし穴は、被扶養者人間ドック補助に関する誤認です。今回の最高2万5,000円補助制度は、あくまで会社で働く「被保険者本人(35歳〜74歳)」を対象に設計された制度です。配偶者や家族などの被扶養者は原則として対象外であり、家族が受けられる協会けんぽの補助は、40歳以上を対象とした「特定健康診査(特定健診・メタボ健診)」や一部の自治体集団検診に限られます。医療機関の窓口に「特定健診の受診券」を持参し、「人間ドックが2万5,000円引きになるはずだ」と主張して受付でトラブルになる事案が報告されています。扶養家族が人間ドックを希望する場合、お住まいの市区町村が独自に実施している国民健康保険・住民向けドック助成制度を調べたほうが賢明です。
第2の盲点は、受診先が指定医療機関一覧に掲載されているか否かです。協会けんぽの費用補助は、協会と委託契約を締結している「指定医療機関」での受診時にのみ執行されます。「いつも通っている有名総合病院でドックを受け、後から領収書を協会けんぽに送って2万5,000円を口座に振り込んでもらう」といった後日精算(償還払い)は認められていません。契約のない自由診療クリニックで受診した場合、補助金は1円も出ず全額自己負担となります。