マジック:ザ・ギャザリングが産声を上げた1993年。その最初期セットである「アルファ版」に収録されたブラック・ロータスは、わずか1100枚程度しか印刷されていないと言われている。しかも、実際にプレイで使用され、傷つかずに現代まで生き残ったカードは極めて稀だ。ゲーム内での圧倒的な強さもさることながら、その希少性こそが狂気的な価格の源泉となっている。
「手札から0マナで唱え、3マナを生み出す」。この単純にして最強の効果は、ゲームの歴史そのものだ。プレイヤーにとっては憧れの象徴であり、コレクターにとっては聖遺物にも等しい。歴史的価値と実用性が奇跡的なバランスで融合した結果が、この狂乱の相場を生み出している。