時計の針をあの日に戻す。2026年6月中旬の土曜日、午後。阪急うめだ本店の9階祝祭広場付近の女子トイレは、多くの買い物客で混雑していた。突如、喉を突き刺すような激痛と、激しい咳き込みが人々を襲う。何が起きたのか分からないまま、泣き叫びながら逃げ惑う人々。現場は一時、化学テロを疑わせるほどの緊迫感に包まれた。
被害に遭った女性たちは、目の痛みや呼吸困難を訴え、救急搬送された。現場に居合わせた目撃者は「突然、周囲の人が一斉にむせ返り、目を開けられなくなった。火事かガス漏れかと思い、とにかく走って逃げた」と当時の混乱を振り返る。このパニックの渦中で、平然と現場を立ち去ろうとしていたのが、のちに逮捕されることになる女だった。