書道が一般的なエンターテインメントとして国民的な認知を得るきっかけとなったのは、映像メディアとの鮮烈な化学反応だった。その象徴的出来事が、NHKで放送され空前のブームを巻き起こしたNHK大河ドラマ『龍馬伝』の題字である。躍動感あふれる力強いかすれと、龍が天に昇るような文字デザインは、お茶の間に強烈なインパクトを与え、書が持つ視覚的表現力を知らしめた。
さらに、女子高校生たちが巨大な紙に音楽に合わせて揮毫する姿を描いた映画『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』のヒットは、全国の若者たちに「書道=格好いいパフォーミングアーツ」という新たな価値観を植え付けた。静寂のなかで墨を磨る行為から、大空間で全身を使って情熱を爆発させるパフォーマンスへ。メディアを介した視覚的体験が、書の可能性を何倍にも押し広げたのである。