趣里の魅力は、何と言っても「綺麗事だけではない人間のドロドロした部分」を体現できる点にある。親の七光りと言われ続けた少女時代、バレエの道を怪我で断念した挫折、そして愛した人との別れ。彼女の人生には、常に「喪失」が付きまとっていた。
元カレとの別れもまた、彼女にとっては大きな喪失だったに違いない。しかし、彼女はその傷口をあえて露出させ、演技というフィルターを通して芸術に昇華させてみせた。痛みを表現に変える術を知っている表現者。それこそが、彼女が他の二世タレントとは一線を画し、目の肥えた映画監督たちから愛され続ける最大の理由なのだ。