患者から最も頻繁に寄せられる疑問の一つが「放置しておけば自然に治る(小さくなる)のか」という点です。結論として、一度形成された骨隆起が自然に縮小・消失することは生理学的にありません。
骨代謝の観点から見ても、外力刺激によって一度過剰形成された皮質骨は不可逆的であり、強い負荷がかかり続ける限り、巨大化を続ける傾向があります。特に加齢に伴い歯周病が進行して歯槽骨が吸収されると、相対的に骨隆起がより突出して知覚されるようになります。
現時点で手術を回避しながらこれ以上の増大を防ぐための第一選択肢は、歯科用マウスピース(ナイトガード)を用いた保存的治療法です。
夜間就寝時にカスタムメイドのスプリントを装着することで、歯ぎしりによる過剰な圧力を歯列全体に均等分散させ、顎骨への局所的な負担を劇的に軽減します。保険適用で作製可能なハードタイプまたはソフトタイプのマウスピースは、骨隆起の進行抑止だけでなく、顎関節症の予防や歯の破折防止にも極めて高い効果を発揮します。