前日や当日の朝になって「銀行の窓口が開いておらず、新札が手元にない」とパニックに陥るケースは珍しくありません。SNSやネット上では「シワのあるお札にアイロンをかければ新札に見える」という民間療法が広く拡散されていますが、これには大きな注意が必要です。
大根おろしの汁や薄い洗濯のりを塗って低温アイロンをあてるという裏ワザは確かに存在し、ある程度のシワは伸びます。しかし、加熱によって紙幣に施された特殊なホログラムやインクが変質・変色したり、不自然なテカリが生じたりするリスクが高く、かえって不自然さが際立ちます。現在では、土日祝日でも結婚式場付近の高級ホテルのフロント、あるいは式場自体のクロークやフロントで新札への両替対応を行っているケースが増えています。アイロンに頼る前に、まずは式場やホテルに電話で相談してみるのが確実です。
もう一つの大きな落とし穴が、ご祝儀袋の携行方法です。バッグやスーツの内ポケットからむき出しのまま取り出す行為は、大人のマナーとして完全にアウトと見なされます。袋の端が折れたり水引が変形したりするのを防ぎ、敬意を保つために袱紗(ふくさ)の使用が必須です。
慶事におけるご祝儀袋 ふくさ 包み方 渡し方には明確な所作があります。 爪付き袱紗や風呂敷タイプの場合、布をひし形に広げて中央やや左寄りに祝儀袋を置き、「左 → 上 → 下 → 右」の順に折り込みます。右側が一番上に重なる「右開き」が慶事の仕様です(左開きは弔事)。
結婚式 マナー 受付 渡し方の手順もスマートにこなしたいところです。受付の順番が来たら、まず袱紗から祝儀袋を取り出し、畳んだ袱紗の上に祝儀袋を載せます。そして、相手から見て正面(名前が読める向き)になるよう時計回りに回転させ、「心ばかりのお人形でございます」「本日はお招きいただき誠にありがとうございます」と一言添えて、両手で丁寧に差し出します。この一連の流れるような所作こそが、大人の品格を雄弁に物語ります。