ネット上の言説で頻繁に見られる最大の誤解が、「『HERO』の久利生公平が雨宮舞子(松たか子)に言ったセリフである」という説です。両作品ともに木村拓哉と松たか子がコンビを組んでいるため、記憶の中で2つのメガヒット作が混ざり合ってしまった典型例です。
『HERO』における木村拓哉のトーンは、飄々としてマイペースなキャラクター設定であり、感情的に「ちょ、待てよ!」と叫ぶ場面は基本的にありません。バー「St.George's Tavern」のマスター(田中要次)が発する「あるよ」というフレーズと混ざり、ひとつの作品イメージとして合成されてしまったと考えられます。
また、1994年のドラマ『若者のすべて』や1993年の『あすなろ白書』発祥説も一部で囁かれますが、これらにおける木村拓哉の台詞回しはよりナイーブあるいはクールであり、フレーズの決定打となったのは間違いなく『ラブ ジェネレーション』です。