漢字の成り立ちを紐解く上で、部首「さんずい」のルーツを知ることは極めて重要である。さんずいは漢字の偏(へん)として位置するとき、漢字「水」の形が変形したものである。古代の甲骨文字や金文において、「水」は岩の間を水滴を伴いながら曲がりくねって流れる川の様子を象形化したものであった。これが文字の左側に配置される偏(へん)となった際、縦に3つの水滴が並ぶ形状へと簡略化され、現在の「氵(さんずい)」が確立された。
文字通り「水に関する事物・状態・動作」を表すために用いられ、河川や海洋(江、河、海、洋)、液体の状態(滴、液、汁)、気象や自然現象(波、潮、温、湿)、さらには人間の精神や清潔さ(清、澄、潔)に至るまで、極めて広範な概念を内包している。
ここで多くの学習者や命名者を悩ませるのが、部首さんずいの画数の扱いである。現代の国語教育や一般的な漢和辞典(新字体基準)において、さんずいの画数は「3画」として数えられる。しかし、中国の清代に編纂された『康熙字典(こうきじてん)』を規範とする伝統的な東洋命理学や姓名判断の流派では、偏を原字に戻してカウントするため、さんずいを「水=4画」として計算する。この筆画計算の乖離こそが、現代のWeb画数診断サイトごとに吉凶判定が大きく分かれる最大の原因となっている。