どれほど魅力的なアイデアを練り上げても、物理的な製品として届いた段階で思わぬ落とし穴に直面するケースは少なくありません。都内の高校文化祭実行委員を務めた生徒や、大学のサークル代表者への取材から見えてきた「失敗の現場」を検証します。
「スマホの画面で作ったときは綺麗なパステルピンクに見えたのに、届いた実物はくすんだレンガ色に近い色だった」(都内高校2年生・文化祭実行委員)
この証言の背後にあるのは、デジタル画面の表示規格であるRGBと、実際の布地印刷で使われるCMYK(四色インキ)の演色領域のギャップです。発光するスマホ画面に比べ、布地印刷は発色が沈みやすく、特に淡い中間色やネオンカラーは再現難度が高くなります。印刷業者が提供する「色見本帳」を取り寄せるか、カラーコード指定を行うのが失敗を防ぐ防壁となります。
また、生地選びにおける「オンス(厚み)」のミスも頻発しています。価格の安さだけを追求して4.0オンス以下の極薄Tシャツを発注した結果、「白地が透けてインナーが見えてしまい、女子生徒から不満が噴出した」という声も多く聞かれます。屋外で動き回る体育祭なら5.6オンス以上のヘビーウェイト生地、あるいは透け防止加工のドライメッシュを選択するのが現場の鉄則です。