彼女の表現における大きな転換点としてファンの記憶に刻まれているのが、20周年の節目を目前に控え、集英社から刊行された川口春奈写真集「re:start」だ。オーストラリアの広大なロケーションを舞台に敢行されたこの撮影で、彼女は余計な装飾をすべて削ぎ落とし、身も心も開放したポートレートに挑んだ。
ネット上で大きな旋風を巻き起こした話題のカットにおいて、彼女が選択したのはあざとさのない徹底した自然体の美しさだった。過度な補正やあからさまなポージングを排し、大自然の光と風の中で肉体のグラデーションを素直に表現する——これこそが、ファンやメディアが追い求めた表現の「真相」だ。ロケ現場に同行したスタッフの証言によれば、彼女自身が『隠すことよりも、飾らないありのままの自分を表現したい』と積極的にアイデアを出していたという。そこには、従来のアイドルの枠組みを自ら壊し、新たな表現者へと脱皮しようとする確固たる意志が存在していた。