黒田の決断を語る上で欠かせないのが、現在カープの指揮を執る新井貴浩の存在だ。2007年オフ、ともにFA権を行使してチームを離れる際、涙を流した二人の絆は途切れることがなかった。奇しくも2015年、阪神タイガースを退団した新井と、メジャーからのオファーを断った黒田が、同じタイミングで広島東洋カープへと再集結することになる。
当時の球団関係者は、「黒田さんは復帰の決断を下す前、新井さんの動向やチームの雰囲気を細かく気にかけていた。新井さんがカープに戻ることが決まった瞬間、黒田さんの中で心の引き金が完全に引かれた」と明かす。二人のベテランがもたらした熱気はチームの意識を底上げし、その後のセ・リーグ3連覇という黄金時代を引き寄せる決定的な原動力となった。