東京ディズニーシーが開園した2001年9月、同アトラクションは「シンドバッド・セブンヴォヤッジ」という名称で運営されていました。しかし、わずか5年半後の2006年9月に一旦クローズし、2007年3月に「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」として全面リニューアルオープンを果たしました。この劇的な改修が行われた背景には、明確な理由が存在します。
旧版の「セブンヴォヤッジ」は、『千夜一夜物語』の原作が持つ冒険譚の厳しさや不気味さを忠実に再現していました。アトラクション内は全体的に照明が暗く、人魚が船乗りを惑わし、魔神が激怒し、獰猛な怪鳥が威嚇するダークで重厚な演出が中心でした。その結果、小さな子どもたちが恐怖で泣き出してしまうケースが頻発し、ファミリー層が敬遠しがちになるというパーク運営上の課題が生じていたのです。
オリエンタルランドおよびディズニーのクリエイティブ陣は、このアトラクションを「恐怖を克服する航海」から「他者と助け合い、絆を結ぶ心温まる冒険」へと舵を切る決断を下しました。かつてシンドバッドを襲っていた魔神や人魚たちは「音楽を愛し、シンドバッドと心を通わせる友人」として設定変更され、シンドバッド自身の表情も穏やかで親しみやすい造形へとリファインされました。さらに、このリニューアルに合わせて誕生したのが、シンドバッドの相棒である子トラの「チャンドゥ」です。