晩秋から初冬にかけて鮮魚店や市場に生のボラ卵巣が出回る時期は、自宅で本格的な自家製からすみを作る絶好のチャンスです。工程自体はシンプルですが、腐敗や生臭さを防ぐための衛生管理とポイントを押さえる必要があります。
ステップ1:ボラの卵巣の丁寧な下処理(血抜き)
生の卵巣を入手したら、まずボラの卵巣の下処理を行います。冷水や薄い塩水の中で、針(マチ針や竹串の先端)を使い、卵巣の薄皮を破らないように注意しながら、表面に走る血管に細かく穴を開けます。指の腹で血を押し出し、流水で洗い流します。この血抜きを徹底することが、生臭さのない澄んだ味わいに仕上げる最大の秘訣です。
ステップ2:たっぷりの塩漬け
バットに粗塩を敷き詰め、水気を拭き取った卵巣を置き、全体が完全に隠れるように上からも粗塩を被せます。ラップをして冷蔵庫に入れ、3日〜5日間寝かせます。水分が大量に出てくるため、毎日水気を捨て、湿った塩を取り替えて清潔を保ちます。
ステップ3:からすみの作り方の要「塩抜き」と焼酎漬け
塩漬けが完了し、硬く締まった卵巣を水洗いして余分な塩を落とします。続いてからすみの塩抜きを行います。ボウルに水、または酒(日本酒や焼酎を薄めたもの)を張り、卵巣を浸して6〜12時間かけて塩分を抜きます。端をわずかに切り取って味見をし、「少し塩気が残る程度」が引き上げの目安です。
さらに風味と防腐効果を高めるため、自家製からすみの焼酎漬け工程を取り入れます。水気を拭き取った卵巣を清潔な保存袋に入れ、ホワイトリカーや米焼酎、日本酒などに数時間から一晩漬け込みます。アルコールが浸透することで、雑菌の繁殖を抑えつつ芳醇なコクが加わります。
ステップ4:乾燥と整形(ピチットシート&天日干し)
アルコールから引き揚げたら、表面の水気をしっかり拭き取ります。家庭では「脱水シート(ピチットシート)」に包んで冷蔵庫内で乾燥させる方法が衛生的で失敗がありません。シートを毎日取り替えながら約1週間脱水し、平らな板とラップで挟んで軽めの重石を乗せ、美しい形に成形します。
天気の良い冬の乾燥した日には、風通しの良い日陰で天日干しを数日間行い、表面が飴色になり、指で押して弾力のある硬さになれば完成です。