本作の原案を手掛けたのは、劇画界の巨匠・小池一夫である。彼が提示した「多重人格」という刺激的なテーマは、単なるツッパリ少女ドラマの枠を遥かに超え、深層心理に潜む人間の業と歪みを炙り出すサイコサスペンスへと昇華された。
解離性同一性障害という言葉すら一般的ではなかった昭和の時代に、抑圧された心の傷がもう一人の自分を呼び寄せるという設定は極めて先進的だった。物語が進むにつれて明かされる過去のトラウマや歪んだ家庭環境は、観る者を深い没入感へと引きずり込んだ。恐怖と哀愁が複雑に絡み合うカルト的な魅力は、小池一夫による卓越した世界観の構築があってこそ成し得た快挙と言える。