かつて数百万人を誇ったゲートボール人口の急減と反比例するように、爆発的な普及を見せているのが「グラウンドゴルフ」や「モルック」です。この現象は、高齢者たちが理不尽な人間関係から逃れ、真の心地よさを求めて大移動した結果にほかなりません。
グラウンドゴルフがシニア層を惹きつける最大の理由は、個人競技をベースにした「加点方式のコミュニケーション」にあります。ルールがシンプルで、自分がミスをしても他人に迷惑がかかりません。誰かが良いショットを打てば「ナイスショット!」と自然に拍手が生まれ、失敗しても「惜しかったね」と笑い合える穏やかな空気が保たれます。
他人の足を引っ張り合い、ミスを責め立てるゲートボールのギスギスした環境に疲弊した人々にとって、互いを称え合えるグラウンドゴルフはまさに理想郷でした。「怒鳴られてまでスポーツをしたくない」という当たり前の心理が、シニアスポーツ界の勢力図を完全に塗り替えたのです。