多くの学習者が「英語イディオム 廃止する」の代表格としてインプットしている「do away with」ですが、辞書を丹念に紐解くと、主に3つの明確な使い分けが存在していることがわかります。公式文書からサスペンスドラマのセリフに至るまで、その守備範囲は驚くほど広範です。
第1の意味は、最も馴染み深い「規則・制度・悪習などを廃止する、撤廃する」です。時代遅れになった社内規定や古い慣習を取り払う際に使われます。
第2の意味は、「不要な物や厄介なものを処分する、片付ける」という日常的な用法です。この文脈では「get rid of」や「throw away」に近い感覚で、身の回りの不要品を整理する場面でも登場します。
そして注意すべき第3の用法こそが、小説や映画、報道の犯罪トピックで耳にする「(人や動物を)始末する、殺害する、命を奪う」という裏の意味です。例えば、映画の中でマフィアが「He tried to do away with the witness.(彼は目撃者を消そうとした)」と口にする場合、決して法的に廃止しようとしているわけではありません。「邪魔者を排除してこの世から消し去る」という不穏なニュアンスを帯びるため、対象が「人」である場合は細心の注意が必要です。