大人の知的障害の確定診断を受けるには、精神科や心療内科、または大人の発達外来を設置している専門病院を受診する必要があります。診断にあたっては国際的な診断基準(DSM-5やICD-11)に基づき、知能指数と適応機能の双方が評価されます。
医療現場で標準的に用いられる心理検査がWAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)です。この検査では全体的な知能指数(全検査IQ:FSIQ)に加え、以下の4つの群指数を測定します。
【WAIS知能検査で測定される4つの指標】
1. 言語理解(VCI):言葉の知識や理解力、言葉を使って説明する力
2. 知覚推理(PRI):視覚的な情報を捉え、空間把握や論理的に推理する力
3. ワーキングメモリ(WMI):耳から入った情報を一時的に保持・操作する力
4. 処理速度(PSI):視覚的な情報を素早く正確に処理・作業する力
大人の知的障害の診断において極めて重要なのが、「18歳未満の発達期からその状態が存在していたか」という点です。大人になってから脳の病気や事故以外で知能が急激に低下するわけではないため、診察時には幼少期の母子手帳、小中学生時代の通知表(成績や生活態度)、親からの聞き取り情報など、過去の状況を示す資料の提出が求められます。