東京・南青山にある研究施設を訪ねると、目に入ってくるのは整然と並んだ最新の光学センサと高精度な脳波測定ギアだ。被験者がスクリーンに映し出される様々な顔立ちや肌の質感、立ち振る舞いを眺める際、脳の報酬系ネットワークがどのように反応するかをミリ秒単位で記録している。
これまで美の指標として語られてきた「シンメトリー(左右対称性)」や「黄金比」は、あくまで広範なデータの一側面に過ぎない。AIを用いた最新のクラスタリング解析によれば、人が他者に「魅惑」や「親近感」を覚える瞬間には、非対称な揺らぎや独特のパーツ配置が深く関与していることが判明した。数万件に及ぶ高解像度顔画像と脳波データのクロス分析により、画一的な美のテンプレートではなく、その人固有の魅力要素を抽出するアルゴリズムが構築されつつある。