かつてのキャブレター車なら、ガソリンと火花さえあればバッテリーが干からびていてもエンジンはかかった。だが、現代のフューエルインジェクション(FI)車や電子制御の最新バイクでは話が根本から異なる。
FI車は、電動燃料ポンプでガソリンに圧力をかけ、ECU(電子制御ユニット)が点火タイミングをミリ秒単位で割り出すことで動作する。要するに、バッテリー電圧が完全にゼロ(0V)の場合、いくら車輪を回しても燃料は噴射されず、スパークプラグも火花を飛ばさない。わずかな残存電圧があれば成功する目もあるが、完全に放電しきった「死んだバッテリー」の前では、いくら汗を流して押したところでエンジンが目覚めることは絶対にない。