熊本商業高校時代から女子硬式野球の日本代表に選出されるなど、類まれな野球センスを誇っていた片岡安祐美。彼女の名が全国区となった決定的な契機は、2005年の茨城ゴールデンゴールズ入団でした。タレントの萩本欽一(欽ちゃん)が創立したクラブチームにおいて、体格差のある男子選手たちに混ざり、泥臭く白球を追う姿は瞬く間にお茶の間の人気を獲得します。
転機が訪れたのは2010年冬のこと。萩本監督の勇退に伴い、弱冠24歳で第2代監督への就任を打診されます。前例のない若き女性監督の誕生には当時、世間から大きな期待とともに「客寄せではないか」という心ない声も一部で上がりました。しかし彼女は持ち前のガッツと野球への真摯な情熱でチームを牽引。2014年には全日本クラブ野球選手権でチームを悲願の全国優勝へ導き、指導者としての実力を完全に証明してみせました。恩師・萩本欽一氏から受け継いだ「ファンを喜ばせる野球」の精神は、今も彼女の指導哲学の根底に息づいています。