「ぞくっときたら葛根湯」。このフレーズは半ば常識化しているが、医学的観点から言えば半分正解で半分は誤解を含んでいる。結論から言えば、発症直後の超初期段階であれば絶大な威力を発揮する。しかし、発熱が本格化し、大量の汗をかいた後に服用しても意味をなさない。
多くの人が勘違いしているが、漢方薬は症状を無理やり力づくで抑え込む対症療法ではない。身体の免疫応答を一時的にブーストさせ、自力で病原体を追い払うための火種を作る役割を担う。日本東洋医学会の専門医は、「葛根湯は熱を下げる薬ではなく、熱を上げてウイルスに対抗するための防衛薬だ」と指摘する。タイミングを逸した服用は、かえって体力を消耗させるリスクすら孕んでいるのだ。