本作最大のミステリーといえば、主人公である掟上今日子の正体と記憶喪失の理由です。朝目覚めると前日までの記憶をすべて失ってしまう彼女の寝室の天井には、太い黒文字で「お前は今日から、掟上今日子として生きていく。探偵として生きていく。」という衝撃的なメッセージが書き残されています。
このメッセージは一体誰が、何のために書いたのか。作中では明確な過去の全貌は明かされませんが、ネット上やファンの間では鋭い考察が交わされています。有力な説として挙げられるのは、彼女が過去に巻き込まれた巨大な事件から身を守るため、自らあるいは信頼できる第三者の手によって「掟上今日子」という新しい人格と役割を与えられたというものです。置時計の裏に隠された莫大な現金(2億円)の存在も、彼女が何らかの代償や依頼金として受け取った可能性を示唆しています。
また、原作ファンを中心に囁かれた「『物語シリーズ』の羽川翼と同一人物ではないか」というクロスオーバー説も話題を呼びました。髪色や卓越した推理力、西尾維新作品ならではの言葉遊びなど共通点が多いものの、公式には独立した世界観のキャラクターとして描かれており、謎が謎を呼ぶ仕掛けこそが本作の醍醐味といえます。