20代半ばを迎えた1995年、彼女の女優人生を揺るがす決定的な出会いが訪れる。脚本家・三谷幸喜とのタッグである。フジテレビ系ドラマ『王様のレストラン』で彼女が演じたのは、フレンチレストランのソムリエール・三条しずか役。どこか謎めいていて、気まぐれで、男たちを掌の上で転がすような小悪魔的魅力を発揮した。
それまでの重厚な悲劇のヒロイン像から一転。軽妙でエスプリの効いたセリフ回しと、絶妙な間合いのコメディセンスを存分に披露した。美貌を誇る女優が、完璧な美しさを保ったまま滑稽さを演じ切る快感。この作品によって彼女は「美しきコメディエンヌ」という新たな領域を自ら切り拓いたのだった。