赤城の白い彗星・高橋涼介が「公道最速理論」という美学と洗練された美意識に基づいたロジックを提示したのに対し、彼は徹底して泥臭い「実利」を追い求めた。レースに華美な演出や無駄なプライドは不要、勝つことこそが唯一の正義——。この対極的なスタンスが、物語に圧倒的な緊張感をもたらしたことは記憶に新しい。
涼介のスマートなレーシング理論に対し、リアリズムの塊のような走りを叩きつけるスタイル。相手の弱点やマシンのウィークポイントを冷徹に見抜き、容赦なく突く戦略性は、プロフェッショナルな勝負師そのものだ。自身のマシン開発やセットアップに対する厳しい姿勢も含め、単なるストリートの走り屋ではなく、レースという厳しい競技の本質を極めて深く理解していた稀有な存在と言える。