アイスクリームの価格をめぐる議論で外せないのが、2000年代以降に進んだ「希望小売価格」から「オープン価格」への移行です。現在、スーパー等で見かけるファミリーパックや一部の個別アイスには「メーカー希望小売価格」が明記されておらず、店舗ごとに販売価格が設定されています。
アイスクリームがオープン価格へ移行した理由の背景には、かつてスーパーの目玉商品として常態化していた「アイス全品半額セール」や「4割引」といった極端な二重価格表示の問題がありました。メーカーが「希望小売価格120円」と設定していても、実態として店頭では毎日60円〜70円で叩き売られる状況が常態化し、希望小売価格そのものが形骸化して消費者の価格不信を招いていたのです。
オープン価格の導入により、実質的な価格決定権は小売業者(スーパーやドラッグストアなど)側に移りました。これにより、「メーカー希望小売価格からの値引き」という名目上の安売り表示が排除され、店舗間の真の価格競争が促進されることとなりました。しかし近年では、仕入れ原価そのものが上がったため、小売店側も以前のような極端な安売りセールを維持できなくなり、店頭の実売価格が押し上げられる結果となっています。