表記を巡って多くの人が疑問を抱くのが、「過たず」と「誤たず」のどちらを使うべきかという点です。結論から言えば、現代日本語の正書法および公用文のルールでは「過たず」を用いるのが原則です。
漢字本来の成り立ちから見ると、以下のようなニュアンスの差があります。
・「過」:枠や基準を通り過ぎる、度を越す、過失を犯す。
・「誤」:事実と異なる、判断を間違える、誤謬(ごびゅう)を生じさせる。
意味の上では「誤たず」も筋が通るように思えますが、常用漢字表において「誤」の訓読みは「あやまる」のみが認められており、「あやまつ」という活用は表外訓(常用漢字表にない読み方)となります。そのため、新聞・出版・公文書などでは統一して「過たず」が採用されています。私的な文章で「誤たず」と書いても意味は通じますが、ビジネスや公的な書類では「過たず」と書くのが無難です。