映画ファンの間で「クレヨンしんちゃん映画の最高傑作」として本作の名が挙がる最大の理由は、ギャグ、アクション、サスペンス、そして家族愛が見事な黄金比で成立している点にあります。前作『ヘンダーランドの大冒険』まで監督を務めた本郷みつる氏からバトンを受け継いだ原恵一監督は、本作で持ち前の骨太な演出手腕を遺憾なく発揮しました。
物語は、魔人ジャークを封じた2つの「タマ」を巡り、世界征服を企む悪の組織・珠黄泉(たまよみ)族と、それを阻止しようとする珠由良(たまゆら)族の抗争にしんのすけ達が巻き込まれる王道のスパイ・ロードムービー仕立て。東京から青森、そして青森から成田空港へと日本列島を駆け巡る疾走感は圧巻で、暗黒タマタマ大追跡の評価と評判は公開当時から現在に至るまで極めて高い水準を維持しています。