1999年10月からフジテレビ系列で放送された旧アニメ版の最大の強みは、画面全体を覆う重厚なサスペンスと静謐なリアリズムにある。監督を務めた古橋一浩(後に『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 星霜編』や『機動戦士ガンダムUC』を手掛ける)は、夕方6時というお茶の間の時間帯でありながら、原作が秘める不穏で危険な香りを極限まで引き出した。
特に「ヨークシンシティ編」における画面構築は圧巻だ。明度を落とした独特の色彩設計、雨に濡れたコンクリートの質感、そしてキャラクターの影の付け方に至るまで、フィルム・ノワールを思わせる映画的なアプローチが貫かれている。画面の隅々にまで張り詰めた緊張感は、子供向けアニメの枠組みを遥かに超えていた。