荒立神社が日本屈指のパワースポットとして語り継がれる最大の理由は、お祀りされている二柱の神様の劇的な物語にあります。御祭神は、天孫降臨の際に道案内を務めた猿田彦命(サルタヒコノミコト)と、天岩戸の前で見事な神楽舞を披露して世界に光を取り戻した天鈿女命(アメノウズメノミコト)です。
神話において、この二柱は互いに心を通わせ、結婚の契りを結びました。その際、あまりに急なことであったため、切り出したばかりの荒木(粗木)を使って急いで館を建てたことから「荒立宮」と名付けられたと伝えられています。天鈿女命が芸能・芸術・舞踊の祖神であることから、芸事の上達を願う歌舞伎役者や演劇人、歌手、アナウンサーが古くから信仰を寄せてきました。
実際に取材を進めると、長年テレビ業界で活躍する大物タレントや映画監督、ブレイク直前の若手俳優がマネージャーを伴わず、静かに一人で祈願に訪れる姿が度々目撃されています。単なるヒット祈願にとどまらず、「表現者としての覚悟を固め、導きを乞う場所」として、エンターテインメント界隈では特別な聖域として位置づけられています。