多くの栽培者が直面するナスに実がつかない原因は、主に「肥料バランスの崩れ」「水分ストレス」「受粉不良」の3点に集約される。現在株がどのような健康状態にあるかは、咲いている「花」の形状を観察すれば一目で判別できる。
健全な状態のナスの花は、中央の黄色い雄しべよりも、雌しべ(柱頭)が長く突き出している「長花柱花(ちょうかちゅうか)」だ。一方、肥料や水分が不足して樹勢が落ちると、雌しべが雄しべの中に埋もれてしまう「短花柱花(たんかちゅうか)」へと変化する。短花柱花は受粉能力が著しく低く、開花しても結実せずに花ごとポロポロと落ちてしまう。
短花柱花が見られた場合は、即座に即効性のある液体肥料を施し、水やり量を増やして樹勢を回復させなければならない。反対に、窒素肥料を与えすぎると葉ばかりが生い茂って花が咲かない「つるボケ」を引き起こす。葉の色が異常に濃い緑色になり、茎が異常に太くなっている場合は、一時的に追肥を止めて水やりだけで様子を見る見極めが必要だ。