二人の接点が生まれたのは、トップ騎手として頭角を現していた時期に遡る。当時、大手芸能事務所「浅井企画」に所属し、清純派アイドルとして歌番組やバラエティで大活躍していた佐野量子さん。テレビの企画や共通の知人を介して顔を合わせた二人は、静かに親交を深めていった。
勝負の世界で極限のプレッシャーに晒される若き天才と、過密スケジュールをこなす人気タレント。住む世界は違えど、互いの苦労を理解し合える関係が構築されるまでに時間はかからなかった。武豊の父であり、「ターフの魔術師」と称された名騎手・名調教師の武邦彦氏も二人の交際を温かく見守ったという。
1995年、日本中が注目する中で執り行われた結婚式。これを機に彼女は芸能界を潔く引退した。スポットライトを浴びる立場から、夫を全力で支える「裏方」へと回る決断を下したのだ。