日本映画史の変遷を振り返る上で、フジテレビジョンが手掛けた金字塔の存在を外すことはできない。その筆頭格こそ、織田裕二が主演を務めて社会現象を巻き起こした『踊る大捜査線』シリーズだ。
連続ドラマから劇場版への立体的なメディア展開は、当時の日本の映画産業に決定的な構造改革をもたらした。湾岸署を舞台に繰り広げられるドラマチックな人間模様と警察組織のリアルな描写は、従来の刑事物の枠組みを完全に破壊。劇場版第2弾が打ち立てた邦画実写の興行収入記録は、今なお誰も破ることのできない巨大な壁として君臨している。テレビ局が情熱を傾けて作られた映画は観客の心を動かす——その成功体験が、現在の映画製作の指針を作った。