彼女の才能が最も純粋な形で爆発したのは映画界である。2016年に公開された劇場アニメ『この世界の片隅に』で主人公・すず役の声優を務め、その卓越した声の演技はキネマ旬報ベスト・テンなど国内の主要映画賞を総なめにした。声だけで観客の感情を揺さぶる圧倒的な表現力は、女優としての底力を証明するのに十分だった。
さらに2026年の映画『さかなのこ』では、実在のさかなクンをモデルにした主人公を性別の壁を超えて等身大で演じきり、映画批評家陣から絶賛を浴びた。映画監督たちにとって、のんという役者は「フレームの中に収まりきらない純度の高いエネルギーを持つ稀有な存在」であり続けている。