奥村真粧美の人生を語る上で欠かせないのが、2歳下の弟・鴈龍(本名:奥村雄大)の存在である。父・勝新太郎の秘蔵っ子としてデビューした鴈龍だったが、1989年の『座頭市』撮影現場で起きた悲劇的な真剣事故により、俳優生命のみならず精神的にも大きな試練を背負うこととなった。事故以降、彼は長期の休業を余儀なくされ、表舞台への復復と苦悩を繰り返す。
1997年に父・勝新太郎がガンでこの世を去った後も、残された家族の絆は激しいうねりに揉まれ続けた。母・中村玉緒がバラエティ番組などで多忙を極め、一家の財政を支える傍らで、奥村真粧美は弟の精神的な支柱となっていた。しかし2019年、鴈龍は55歳という若さで人知れず急逝。愛する弟を突然失った悲しみは、長年苦楽を共にしてきた真粧美と母の心に深く傷痕を残した。