長年、この地を訪れる人々の目当ては名産の「房州びわ」だった。初夏に実る大粒のびわは、皇室献上品としても知られる超一級品だ。しかし、今のトレンドはそれだけにとどまらない。
2026年現在、フードコートやカフェエリアは大幅にリニューアルされ、地元の若手シェフたちとコラボレーションした「ローカル・ガストロノミー」が花開いている。例えば、びわの葉の成分を隠し味に使ったクラフトコーラや、東京湾で獲れた低利用魚(未利用魚)をフリットにしたフィッシュバーガーなど、環境配慮と美味しさを両立させたメニューが並ぶ。
「ただ美味しいものを食べる時代は終わった」と、訪れた観光客は口にする。一口ごとに、南房総の海と山のストーリーが伝わってくるような食体験が、ここにはある。